なんもわからん

さっき作った

『フリクリ オルタナ』感想というか考察というか感情垂れ流し

 

 フリクリ オルタナ見てきました、まあ細かい経緯は置いといてぼくはめっちゃ面白かったんですよ。

 で、ネットで感想見たろって思って調べてたらまー賛否両論で、確かにOVAと比べていろいろ弱いとか曲の使い方がクソとかの主張もうんうんわかるよそうだねつらかったねってニコニコしながら見てはいたんだけど、そういう感想みて見るのやめようかなとか言ってる人結構いて悲しくなってきたので勢いでぼくの面白かったところ書いておこうと思いました。(逆張りオタク)

 

フリクリ オルタナって結局どんな映画なの?(ネタバレなし)

  一言で言ってしまえば高校二年生の女子高生4人の百合友情青春物語です。(百合かって言われると正直微妙なんだけど百合厨を釣ってダメージを受けさせたいので百合ってかきました)なんかよくわからんSF展開をバックに年相応の女子高生が集まって恋愛とか進路とか友情とかで悩んだりするかなり等身大な作品になってます。いや、なんか書いてて全然違う気がしてきた…。ともかくセブンティーンの気持ちになって青春して精神にダメージを負ってほしい。

 原作(OVA版)と比較すると、OVAで評価されてた奇抜な演出だとか映像に合わせて爆音で流れるthe pillowsの楽曲とかそういうのは薄くてそこに期待してた人ががっかりする気持ちはわかるんだけど、思春期の主人公が悩んだり変化していくストーリー、終盤に向けて日常を侵食してくるSF展開ってテーマ自体はきちんとOVA版を引き継いでる、むしろ原作よりもそこに特化してフォーカスした作品になっている印象です。キャラ造形やストーリー展開でのOVAとの対比もちょくちょく出てきて面白いと思いました。

 

各話感想(ここからネタバレ)

こっからネタバレ全開です。強烈な思い込みと独自解釈と妄想で思いつくままに書きます。きみだけの最強のオルタナ考察を作ろう!

 

 

 

  • 1話 フラメモ

 キャラ紹介回です。女子高生がいっぱい出てきてやたらハグしたり膝枕したりで距離がやたら近くてあれ?これもしかして百合アニメなのでは?って気持ちになります。

 静かな部室での会話から一転してロケット作成が始まってBGMに合わせてだんだんキャラクターのテンションも上がってく様は最高に青春!なんだけどそこにピンが降ってきて完成したロケットぶっ壊されちゃう。あとの話も含めてになるけど「オルタナ」におけるカナの行動って全部上手くいかないんだよね。それに対するAlternative、代替としてハル子から示される「壊れたんならまた作りなおせばいいだけじゃん」。で作り直して打ち上げてみんな笑顔でハッピーエンド。

 作り直せばいいのはそりゃそーだではあるんだけどOVA版はかっこつけてやってなかったけどバット振ったらうまくいく的な話だったから最初から素直に行動してうまくいくのかと思いきややることやって全然うまくいかないカナとの対比はちょっと面白いです。

 ロケットづくりはもちろん子供から大人になる、卒業、未来への希望とかそういう感情のメタファーではあるんだろうけどカナたちが作ったちっぽけなロケットに本物のロケットを絡めてくる話の構造は上手いですね、最後に4人が本物のロケット打ち上げを眺めるシーンで全員が背中を向けて表情が見えないのもあとから思い出すといい演出だと思いました。

 

  • 2話 トナブリ

 ヒジリー回です。大人と子供のなんやかんや。

 辛いもの喰えるのは大人で喰えないのは子供っていう対比。大人も無理して喰ってるだけっていう答えあわせを神田のおっさんでしてからのヒジリー無理してない?ってやつ。まあ結局はトシ夫もヒジリーも大人ぶっててみんな子供だったってオチなんだけど、恋人を捨てて代替として友情をとる行為は後々4話とか6話につながってくるわけですよ。あとカナは化粧しても大人になれない徹底した『子供』の側なのがちょっと面白いよね。子供らしく恋愛に夢見てて、友情が第一で、その青春の力はめっちゃくちゃでけーぜ!ってのがわかりやすくカナとトシ夫のNOのサイズ差で視覚化されてるし。この話、結局は子供も捨てたもんじゃないし大人よりすごいところもあるんだよって額面通りに受け取っておきたいんだけど、後半の展開を考えると想いがいくらでかくても子供じゃ現実は変えられんし厳しいみたいな結果になってしまうのがなんとも辛い。

 関係ないけど、あとから考えるとカナに「すごいことだよ、好きになった二人が別れるんだからさ」をここで言わせてるの、本当に残酷だよなー。「そのうちカナにもわかるよ」「わかんないって、わかるはずない、わかりたくもない」があとからじわじわ効いてくる。

 トランスフォーマーのパロが大丈夫か?ってレベルでまんまだったけどアクションはよく動いて楽しかったね。ヒジリーが爪噛み捨ててバックでめっちゃ爆発するカットが特に良かった。(爆発はでかければでかいほどよい)

 あとケバブを普通に食べれるモッさんとペッツはこの作品における大人なんだよね。神田のおっさんより大人。(普通に好き嫌いかもしれんけど)

 

  • 3話 フリコレ

 モッさん回。夢の話…というよりは友情とはみたいなのがメインなんかなあ。

 カナが勝手に手伝いやって一度は断られるも、素直な気持ちをぶつけることで和解できたくだり、後々のペッツと和解できなかった関係と対照的なんだよなー。最初に3人で手伝ったとき、ペッツとヒジリはあんまり乗り気じゃなさそうだったのがカナとの対比で印象深い。

 モッさんは夢は自分で叶えなきゃ意味がないって怒ったんだけど、ラストにデザイナーから代替の夢としてモデルに転向したところから察するに実際のところ彼女にとって夢を叶える事自体には真剣であっても夢自体にこだわりはなかったんだよな。それもあって大賞に選ばれなかったんじゃないかなあみたいなのは感じる。あとから考えると夢がないカナも成功しないことを示唆してたようにも思えるし、というか結局カナがモッさん手伝っても負けてるしこの作品、カナの行動が報われなさすぎる。

 そんな結果だけ見たら陰鬱な回なんだけど、なんだかんだ明るい雰囲気で終わったのも嘘くさくてよくできてるよ。まあモッさんいわく、「結果が全て」。

 

 順番的にペッツ回…じゃねえのかよ!カナ回だよ!最後の日常回、テーマは恋愛です。

 話としては恋に恋い焦がれただけでカナには恋愛はまだ早かったのかな、で終わりでなんじゃそりゃ、なんだけど「ホントのドキドキは多分…」でなんの代替だったのかみたいなノリで6話につながって行くのよね。国語の授業で扱ってるのが島崎藤村の『初恋』なのもいいよね、上げ染めし前髪も花櫛もヘアピンを示唆してるしやさしく白き手を差し伸べて…は5話冒頭の回想だしでカナの初恋はペッツだったみたいなやつじゃん急に百合感でてきたな…。でもテストで点取れてないからカナは理解できてないんだよね。

 あとこの回のパロディがスラムダンクなのは意図を感じて、スラムダンクって最後唐突に負けて終わるじゃないですか、言ってしまえばバッドエンドの作品で、ハル子の「結局はスラムダンクっしょ」はバッドエンドというか敗北を肯定してるようにも感じられるけどどうなんだろうな、まあ6話でバッドエンドは好きじゃないって言ってるしそうでもないか…。

 

  • 5話 フリステ

 待望のペッツ回。メディカルメカニカが動き出し、ペッツの秘密が明らかになり一気に雰囲気が変わります。ここからもう最後までノンストップです。

 これまでの話で新聞やらテレビのニュースやらで断片的に書かれていた、他人事みたいな伏線が一気に地球滅亡というリアルさを帯びて日常を侵食してくる。それと同時にペッツの実家の話、移住計画の話も明らかになって私物の交換を持ちかけてたペッツの不可解な目的が明らかになるし1話で写真撮りまくってたのも別れに備えてたのかみたいな怒涛の伏線回収ですよ。これまで頑なにジャージとタイツで肌を隠してたペッツが秘密がバレてからは夏服で露出してたのも視覚的にわかりやすい。「続いてた毎日は全部嘘だった」は流石に言い過ぎだろうって思うけど、ペッツはやっぱり我慢してるのを気が付かせないキャラ、つまりこの作品でいうカナと対象的な『大人』で本心を隠す『嘘』のキャラってのを強調したかったのかなあ。そんなペッツが感情を吐露して恨み言吐くの、実際ある程度は本心なんだろうけど、ここでの拒絶の言葉がどうしても本心とは逆にも聞こえるし、額面通りに受け取るべきではないんだろうな。二人は友達なことを再確認してハッピーエンドかと思いきや、夢オチ。ペッツはいなくなってしまうんだよな。この夢、カナが見てた夢なんだろうけど絵的にペッツが切り捨てたみたいになってるのがいい。最終的に自分の感情を殺せる大人として、あるいは単純に親に逆らえないそのままの意味の子供としてという構造も面白い。「全然知らなかった」なりターミナルコアなりでOVAのマミ美を彷彿とさせるところがあるも、結局特に復讐することがなかった点も自分を殺したキャラとしての印象が強く残るんだよな。

 あっさり去ったようにも思えるけど、私物交換の件、モッさんとヒジリーに対しては早いタイミングでやってたけどカナとは最後の最後までできなかったのも、やっぱりカナとの別れに対しての感情の整理はできてなかったんだろうなあ。

 

  • 6話 フリフラ

 最終回。前話に引き続いてのペッツ回(ペッツ不在)です。

 学校にも町にも人影がなくなり荒廃した地球と、ペッツと別れたカナの心情がリンクしてていいよね。

 打ち上がるロケットに対してモッさんとヒジリが別れの言葉を告げるのに対して、最後までカナは無言なんだよね、子供だから。結局カナは変化を受け入れられないんですよ。割れたスマホも買い換えられない。

 んで、告白パートですよ。OVAのナオ太が「好き」の一言で終わらせたのに対してうじうじうじうじなっげーーーーーー告白だなあ女子高生の思いの丈はめんどくせえなあすげえ思春期パワーだ宇宙も捻じ曲げちまうぜでもこのすんげえ告白届いてねえんだよなあだって相手いねえもん悲しいなあ、フリクリにおける初恋はかなわないもんだからしかたねーですよエモさしかねえなという感じです。

 で、このときのオレンジ髪になってエキゾチック反応したのはトップ2のパロっぽいけど、トップ2で髪色変わるシーン、ノノがラルクの元に駆けつけるために冥王星からタイタンまでワープするとこだよね。でも別にカナがペッツのもとにワープするわけでもないしよくわからんし悲しいですね…距離なんて関係ないのです…。子供時代の回想になにか秘密があるのかな?まさかそのまんまノノみたいな過去のキャラとは思わんけども…。デコにアトムスクのマークが出たのは別れを受け止めてやっと大人になったって表現?それとは別に5話で吸い込んだターミナルコアとアトムスクは関係がある?それともカナ=アトムスクでここからハル子との因縁がはじまるのか?(オルタナ時点ではハル子に鎖ないですし)正直この辺の展開よくわからんのだけどどうなってんだこれ。ハル子は火星に飛ばされたのは間違いないだろうけど最後のシーンはどこなんだ?本物の地球はメディカルメカニカにならされたけど神田が言ってたように事象の地平線を超えて火星に街ごと転移することに成功した?いやでもハル子が見てるプラントとは違うよな、それとも火星ではない別の地球を創造した?(壊れたら作り直せばいいじゃん)過去の時間軸の地球を持ってきて1話冒頭にループがはじまった?飛ばされたアイロンはどこへ行った?この日常の中にペッツはいるのか?もう何もかもわかんないっすね事象の地平線出てきた以上なんでもありな気がする、まあこの辺は変わらない世界を願ったカナが思春期特有のすごいパワーでなんかしてどうにかなったんでしょう、しっかり語って欲しかったけどまあこんな終わり方もアリなんじゃないですかね。この辺はなんか正しい考察があるのかもしれないし、可能性残しておくんで勝手に想像しろってやつなんかもしれない。個人的にはペッツと再開しててほしいけど現実を受け入れて大人になったが本筋だろうし別々に生きていくんだろうな…。

 

結局オルタナの何が面白かったの?

  1~4話も好きではあるんだけどカナとペッツの関係がよかったんだよね。テレビシリーズなりOVAなりで1話づつみたらまた印象違う気もするけど劇場で一気に見るなら5話以降でカナとペッツの関係に一気に収束してくところがメインでしょう。結局この話ってどういう話かって言ったら「仲が良かった友人と親の都合で別れることになって悲しかったけど私は元気です」が全てで、それってはっきり言ってしまえば大人や周りの人間からしたら大したことない、どうでもいい、いくらでも世界中で起きてる出来事なんだよね。でも子供で17歳のカナにとってはその別れは地球が滅びるのと同レベル、いやそんなことどうでもいいくらいにショッキングな出来事で、その別れを受け入れるという行為は、はっきり言ってもう別の星で生きていくのと同義だって心境と現実をリンクさせることで、どれだけこの想いがでっっっっけえかって視覚的にわかり易く表現してるとこがよかったんだよね。心境の変化に合わせて壊れていく地球の他にも人間関係とか心情の暗喩だとか伏線の貼り方だとか、セリフ以外でも過剰な情報でキャラ語られてるのが面白かったんだよね。前半のキャラ掘り下げ回もキャラの魅力を十分感じられたし、ペッツ以外は…まあペッツはメインヒロインだからな…。

 作品のテーマについては…子供と大人、変わっていく現実とそれに追いつかない心で一貫はしてるんだけど完全にリンクしてるわけじゃないしどちらかを肯定してるわけでもないんだよな…なんかオルタナ完全に理解したわみたいな気持ちで書き始めたのに整理しようとしたら全然わかんなくなってきたわ、わけわかんねーわ。なんやこの話。OVA版のほうがよっぽどわかりやすいわ、青春ってなんだ。

 

それはそれとして不満もあるが

 5話以降のペッツがいなくなる展開があまりにも唐突すぎるよね、伏線自体は貼られてるし状況から心境の推測はできるんだけどペッツ本人は5話までほとんど内面を表に出してないから憶測の域を出ない、1話で照柿(幼馴染と恋人取り合う話)読みながらカナをなじってたくらいか、流石にこれで気がつけは回りくどすぎる。そもそもペッツって別に言いたいこと言わないタイプでもないし、むしろ結構カナにツッコミ入れたり止めにいったりで当たりは強いんだよな。だからこそカナはペッツの闇に気がつけなかったのかもしれんし隠し事は家庭のことだけでそれ以外については普通の女の子ってリアルさは出てるかもしれんが話の展開としてはちょっとわかりづらすぎるような…。まあ実際アイロン出現した直後だし唐突に予定より移住が早まったのはあり得るか…。それこそカナのNO利用するためにストレス与える計画が裏で動いてても不思議じゃないし家族ぐるみで巻き込まれてたなら母親の必死さも理由つくか…?逆に視聴者も家庭の秘密に気がつけなかったカナと同じ視点に立たせて5話を迎えてほしかったのかもしれんが、それやるにはもう尺が足りなすぎたんだよな…。

 6話とかもう説明なさすぎてだいたいなんだよそれなんだけど全部カナに発破かけるための背景でしかないのでもうどうでもいいや、アレで満足です。

 あと4話の位置づけも浮いててよくわからんのだよな、ハル子のスタンスを説明するための回な気もするけど結局OVAと違ってオルタナにおけるハル子はメインヒロインじゃない脇役だからそこはもう説明しなくていいでしょ感は強い。ここにペッツが絡んでれば5話につながって一貫性が出てきそうなもんだけど佐々木とカナとハル子で完結してしまったのが惜しい。

 全体的に後半の展開が雑なんだけど、ぼくが面白かったのも後半なのでこのへんもうちょいなんとかなってれば勿体無いなあという感じ。

  演出とかには特になんもいいませんよ、ないもん求めてもしゃーないでしょ。

 

まとめ

 まあつらつらつらと全然まとまらず思いつくままに書いてしまったけど、あ、全然ヒジリーの話してない、セレブ婚志望は金目当てじゃなくて生存が目的だったのか?とかネックレスへの執着はあったのか?とか…ってまとめに入ろうとしてんのにまだまだ語りたいどうでもいいこといくらでも思いつくし、完全に精神が17歳になって感情を動かされてるし、わからんこと多すぎるし、もうここがつまらんとかここがクソとかそんなんでもいいからいろんな人の意見聴きたいし、もっとみんなにみてほしいなとおもいました、まる!(小学生) (カナ=アトムスク説思いついたとき天才では!?って思ったら結構書かれてた、そりゃそーか)(そうそう代替といえば回想でカナは最初にペッツじゃなくて別の子に声かけてたのもちょっと面白いよね)(無限に語れる)(話が長い)(終わり)