なんもわからん

さっき作った

プロセカ『On Your Feet』感想・読解みたいなやつ

『On Your Feet』感想読解書くぞ!

雑感

いや~良かったですね。
前回イベ、『Light up the Fire』の流れを汲んで実力の不足を自覚しつつも今までの全ての歩みを振り返り自分の力を再確認するという流れはビビバスが今までやってきたことの集大成といった感がありました。

ビビバス単体としての話ではありますが、モモジャンが直近で描いてきた「普通の学生か音楽(ライブ)か」だったりニーゴが描いてきた「親との対話・理解への期待」だったりといった要素が置かれていたのも対比的でしたね。
そう考えると他ユニットの要素もあるんでしょうかね。あえて探すのであればワンダショは「大河の想いと謙・ビビバスの共存できない夢」でレオニの要素はここ最近のテーマは「観客との一体感」あたりではあるんですがシンプルに「仲間との関係修復」あたりで見てもいいのかもしれません。ちょっと脱線しましたが読解やっていきましょうか。

ビビバスが描く「挫折」と「仲間」の存在

さて何から見ていきましょうか…正直今回『Light Up the Fire』の後日談的な意味合いが強いのがあって、大河と街の真意まわりの読解は『Light Up the Fire』の記事でやってしまったのと、今回のイベントかなり全部言葉で説明してくれているので改めて行間を読むべき部分があまりないんですよね…。
maisankawaii.hatenablog.com

とりあえず、今回のイベントの前半部分のメインは「折れてしまった人を再び立ち上がらせるのは難しい」という話が描かれていました。

…………一度敵わねえ、届かねえと思っちまったら、そう簡単に気持ちは立て直せねえ(彰人)

冬弥も彰人も、かつてピアノとサッカーというフィールドで大きな壁にぶつかり、そのままその道から去ってしまったという過去があります。
そんな2人がどうして折れずにいられたかというと、それはビビバスの仲間というチームあるいは相方の存在があったからですね。
しかし今回去ってしまった岡崎達也はともかく、遠野新と三田洸太郎の2人にはとりあえずそこで支えになってくれる・共に上を目指してくれる仲間がいないわけです。

彰人が遠野と出会い壁にぶつかる『STRAY BAD DOG』(2021/04/30~)では仲間に頼り共に成長していく大切さが描かれ、遠野の「あいつがここにいたら、俺も――」と仲間の不在に嘆く様子が見られました。

……すまねぇ……

一方、三田は大河の言葉を「身の丈に合わねえ夢は見るな」と解釈していましたが、今回のイベントでRAD WEEKENDの裏であったことを聞き、折れずに夢を目指すビビバスのメンバーの話を聞き「これ以上お前らの…」と返しています、この言いよどんだ部分は「これ以上お前らの夢の足手まといになりたくない」でしょうね。
であるならば、ビビバスがRAD WEEKENDに匹敵する実力を示すのはむしろ三田にとってはあまり効果がないどころか逆効果かもしれません。
この「真っすぐな夢に引け目を感じて決別を選んでしまう」は既にビビバスで描かれている話です。そう、メインストーリーで真っすぐ夢に向かう3人を見て自分にはその覚悟がないとして別れを選んだ青柳冬弥ですね。冬弥は彰人の隣に立ちたいという想いで改めて2人で夢を目指すことになりましたが、三田は『THE POWER OF UNITY』(2022/05/20~)で語った「本気でやりてえ」という自分の想いに改めて向き合い、ビビバスという仲間と共に夢を目指すことができるのかは注目のところです。

新と颯真の夢という課題については前回記事で書いたところなので深掘りはしませんが、今回颯真側の「これでいいのかもしれない」という「諦め」が描かれたのは、新と颯真だけなく歌を次の世代、残された側に託そうという凪の夢とも重なるもので、その終わりをイメージさせるものではありました。
凪が夢を託すのがボカロ文化っぽいみたいな話も前の記事でしましたが、「この曲はもう……あいつに、歌ってもらえないんだな」もめちゃくちゃボカロを思わせて良かったですね…。

さて仲間の存在の話に戻りましょう。
今回こはねは遠野たちとの関係を「チーム」として、それを自分の歌でつなぎとめられなかったことに悔しさを感じていました。
この「自分の歌が持つ力とその自覚」というシンガーとしてのプライドの話はミクさんが全部解説してしまいましたが、そもそもこはねに関しては実力のなかったメインストーリーの頃から自分の夢、RAD WEEKENDを超えることを疑わない強さは持っていたんですよね。
つまり「実力がついて自信がついてきた」の話ではなく「揺るがない自信にようやく実力が追い付いてきたことを自覚してさらにその自信を他人に伝えられること」みたいな話になるわけで、この辺はやっぱり小豆沢こはねというキャラ造形の普通じゃなさで面白さなんですよね。
そしてそれを自覚できたのは「私の想い・夢」で歌っていた過去から脱却して相棒・仲間・チーム・街・すべての人々への感謝という広がりの中でという話につながっていくわけです。

この辺は2.5周年からこっち全ユニットで描かれている「プロとしての音楽」の話なのでしょうね。
音楽は自分のために歌うなら楽しいだけでよくて、そこにいろいろな責任や悔しさが重なるのは「誰かとやる音楽・誰かのための音楽」だからで、なぜそれが素晴らしいのかという話にRAD WEEKENDを超えるキモがあるのかもしれませんね。

RAD WEEKENDを超えて、その先に行きます!

白石謙の「覚悟」について

さて謙さんの話していきましょうか。
今回大河に会うために「学校をサボる」話がありましたが、これは直近のニーゴのイベストとの対比は意識しているでしょうね。

話したあと、大変かもだけど……

音楽活動をするにあたりまふゆとまふゆ母は衝突し、理解を得られなかったという話がありましたが、続くモモジャンではみのりが単位制に転科する上で両親と対話し理解を得ることができ、レオニでも一歌が両親にプロになる上で活動の理解を得るというくだりがありました。
そして今回のビビバスでも両親とちゃんと話して理解を得ようねという話があったわけですが、ここで謙は「理解のある両親」の枠からさらに進み杏の父としてではなく1人のミュージシャンとして、凪の想いを継ぐものとしてビビバスの練習に手を貸すことを選択します。
さらに片手間でという話ではなく、店を畳んでです。ここまでくると「理解がある両親」とかいうレベルの話ではないんですよね。謙の夢でもあるというのはあっても子供の夢のために「親としての責務を放棄している」まであるんですよ。

オレはここで、オレが教えられるすべてを、お前達に叩き込む

ここまでの他のユニットで描かれてきた理解のある両親たちもあくまで子供の活動を応援するかしないかという姿を見せてまふゆ母とは違うなという印象を植え付けてきたわけですが、逆にここまで子供の夢に人生をかけるのははっきり言ってまふゆ母と同様に「普通ではない」んですよね。
ですが、ビビッドストリートという街は、そういう音楽のために全てをかける街で、ビビバスは今そういう全てを巻き込んでいく話をやろうとしている。そういう異常な熱を描くユニットなんですよね、ビビバスは…。と考えていくと他イベで両親との対話が描かれたのがこの謙の覚悟のデカさを際立たせてていいな~と思います。

なんならRAD WEEKENDのあの日からずっと謙が背負った熱は続いているわけで、謙の歌にできること、親としてではない「シンガーとしてのプライド」がここにもあるなら謙自身がやるしかねえだろという話なんですよね。立ち上がれ、自分の足で。『On Your Feet』、そんな感じでどうでしょうか。

おわりに

このプロセカイベント記事も前回こはねバナーから始まったのでとりあえずだいたい1周といった形でなんだかんだ結構続いてるな~感がありますね。
まあ書いてる分には楽しいのでこれからもぼちぼち続けていけたらと思います。

おわりだよ~