なんもわからん

さっき作った

プロセカ『Kick it up a notch』感想・読解みたいなやつ

プロセカのイベントストーリー『Kick it up a notch』の感想書くぞ!!
当然ネタバレ注意のやつ。

いつもツイッターで感想書いてるけど今回結構書きたいことあるので…。


youtu.be

~7話の雑感・読解・考察やら

こはね覚醒イベということで、この展開過去イベ『Awakening Beat』(2021/07/09~)でもみたなという感じではありますが…。1年以上前なのこれ!?
Awakening Beatと最終的な展開は似ていますが、むしろ過去との違いにキャラクターたちの成長が見れて良かったですね。

今回のイベント、こはねは大河に技術ではない歌の本質についての授業を受け、杏と街で過ごす中、RAD WEEKENDやRADder、そして杏や彰人たちの歌が街の人たちにずっと応援されてきたこと、そして見守られ共に歩んできたその重みを理解します。

(私にも――こういう、人との繋がりがあったら素敵だろうな)

さて、ここでちょっと脱線しまして、こはねというキャラクターの最大の特徴として描かれてきたのはなんでしょうか。私は非常に高いレベルで他人の気持ちに同調できる高い共感性、そしてそれによって生まれる相手の求めるもの・期待を見抜く能力ではないかと考えています。
こはねはこの共感性を持って杏の夢やドキドキを自分のものとしてRAD WEEKENDを超えるという覚悟を抱き、ここまで歩んできたのではないでしょうか。
でもって今回も、その高い共感性で街の人たちの期待、そしてRADderや杏たちがその期待を背負ってきたことを単純な言葉の上だけでなく、当人かのように理解したと思うんですよね。

さて過去イベントに戻りましてAwakening Beatでのこはねは、「こはねを信じる杏を信じる」ことで誰も認識できていなかった本来の「自分に自信を持ったこはね」の実力を発揮し全員を驚かせたわけなんですよね。ここでも高い共感能力が発揮されています。

自分を信じるのは難しいかもしれないけど、こはねはいつだって、私のこと、信じてくれてるでしょ?

しかし今回のイベントでソロを歌うことになったこはねはその時のような・本来の実力を発揮することができません。
こはねがソロ練習で目指した自分は「Crawl Greenで伝説を作り、それによって街に認められるこはね」という街の人達が見てきたRADderの過去に重ね・またはそれを超える自分だと思われます。
ソロ練習で調子の出ないこはねは、ルカ・ミクの提案で「イベントや街のことを1回全部忘れて」ルカ・ミクと3人で歌うこととなります。
この3人での歌唱でこはねは実力を発揮するわけですが、ここでこはねが上手く歌えたのは、「イベントや街のことを忘れたから」ではないでしょう。ルカとミクの歌を受け、その気持ちを受け取り、その気持ちに応えたいという強い気持ちを抱いたからに他なりません。

ううん、私達は歌で気持ちを伝えただけ。あとはこはねの実力だよ(ミク)

さて、2人が伝えようとした気持ちとはなんでしょうか。当然2人がこはねがうまく歌えないのを見て正しい歌い方をコーチングしてくれたという技術の話ではありません。大河曰く「本質的な話」「大事なもの」の話です。というわけで本番Crawl Greenでの覚醒シーンを見ていきましょう。

ステージ開演前、杏だけでなく出演者全員がこはねを信じて送り出します。さてここまではAwakening Beatの「信頼に応える」の信じてくれる人が杏だけから共演者全員に増えただけですが、ステージに立ったこはねは観客たちの中にお世話になった街の人達を見つけます。

(なんだか……胸があたたかくなるな。すごく嬉しいな……)
(こんなに親身になって応援してくれて、寄り添ってくれる人達が、もういたんだ――)
(私の歌を、この人達に聞いてほしい!)

杏やRADderのようにいつか街の一部になることを望んでいたこはねですが、自分が既に街の一部であり、その期待を背負う存在であり、そしてその期待に応えるのが自分であることに気が付くわけです、到達――。

ところでこの「こはねは既に期待される側の存在であり、それに気が付いていなかった」を杏とのデートでの居眠りで既に描写してるの、めちゃくちゃ良い!!!!!!

こはねの歌、もっと聴きたいな。それで、私も――

眠れる獅子・いや、ハムスター…

7話以降の演出についてやらメタ的な話やら

さてさて、ここまでは大河の予想の範疇。こはねの覚醒はここで終わりではありません。こはねはもう一段階の変身を残していました。
プロセカのイベントストーリーは基本的にそれほど複雑な筋の話をやらない作品というか、1つのテーマを1つのイベントストーリーで徹底して解決させる作風が基本と思っていたので、これはかなり意外な展開だなと最初思いました。
意外といえば、ストーリー内での歌唱です。ここにきてこのカードを切るかってところですね。「観客に届いた」を「プレイヤーに歌が届いた」で疑似的に今までとは違うというのを見せてるんですよね。この説得力は秋奈さんお見事という感じ。今後この演出他の演者もやるとなると…相当プレッシャーあるでしょうねえ…。
話をストーリーに戻しまして、こはね自身が目指している部分は最初からこの二段階覚醒で、一段階目はまだ変身中だったと見るなら物語の視点が「こはねの成長・覚醒」から「こはねの成長を受けた周囲」という後日談にちょっと早いタイミングでシフトしたと読めてプロセカでよく見る展開かもしれません。画面のテンションが全然後日談ではないのだよなあ。まだ1曲目。

さて今回自分が街の一部・応援されそれに応える存在であることを自覚し、一段階上に上がったこはねですが、「こはねが街の一部であること」と「こはねがソロ練習で目指していた・参考にして到達できていなかった目標」は両立し得ます、こはねがソロの話を受けたときに最初にイメージしていた・ミクルカとの歌唱で到達しかけていたのはそう、「RAD WEEKENDの凪さんのように」です。うーんそこ拾ってくるか、面白い。

……………………やっぱり、高いよ……

ここで杏はこはねの中に凪さんを見出すわけですが、この「高いよ」がこはねと凪さんのどちらにかかっているか、あるいは両方にかかっているかで全然違った意味合いに変わるのがめちゃくちゃ面白いんですよね。
技術の話でもあり、RAD WEEKENDのことでもあり、街の象徴でもあり、父や大河と共に合った存在でもあり、孤独な夜から救い上げてくれた存在でもあり、人として憧れの存在でもあり…。

そこまでの覚悟があるなら、俺から言えるのはひとつだな。俺に最高のイベントを見せてくれ(Crawl Greenオーナー)

で、この程度で簡単に折れるような杏じゃあないってのがちゃんと置かれてるのは偉い。今後の話に注目ですね。

折れないといえば彰人も良かったですね。
Crawl Greenという挫折の場所でリベンジを望んで、前イベ「Find A Way Out」にてリベンジを果たしても満たされずという描写を経て、小豆沢こはねという仲間であり強者が生まれたときにどういう反応をするかといえば、あくまで自分の実力を伸ばしてくれる存在であるならそれでいいという勝ち負けを超越した認識でいたことが…。
音楽を本気でやれるのか疑問に思っていた彰人でしたが、もうイベントやバトルではない、ただ純粋に歌のことだけを考えている。これが「本気」でなくてなんだっていう話なんですよね…。

(……けど、あいつの歌はオレ達を上に引っ張り上げてる)

とーやくんはまあ…楽しそうで良かった。

そしてこはね、

最高の歌を聴きたいって、杏ちゃんが言ってくれたから……

ここまで街全体の想いを背負い、その歴史全てを巻き込み歌った大きなイベントを描いて、最後に街の人々の想いの中からたった一人の杏の期待に応えて歌ったことを語るの………………………………………………………………どエモ!!!!!!!!!!!!!!!!

今だけじゃない、最初の出会いから、STAY GOLDでも、そしてこのRISEでも、ずっと杏がこはねの歌を求めて、ステージに引っ張り上げてきたんだよな…。街とこはねをつないできた全てが、杏の期待から始まっていて、こはねがそれに応え続けてきた、街はずっとここにあった、Ready Steadyなんすよね…。

そんな感じで~。

直近イベとの対比について

プロセカって結構直近イベと似たような話やることでユニットやキャラの個性引き立たせるのが面白いみたいなところありません?
ってことでちょっと語らせて~。

・ほどかれた糸のその先に
雫バナー。
7話まで期待に応えて強いキャラクターとして画面の前に立った雫が8話で素に戻るの、今イベの終演後のこはねと重なって…2人が背負った歴史と期待の重みが引き立つ…。

・キャンドルの香りは思い出と共に
一歌バナー。
師に学ぶこと、他人と仲良くなること、応えようと頑張る楽しさ。今イベでこはねが学んだことなんだよな。そして学んだ側が教える側に立つこと、奏がかつて父に教わったこと、親世代から継がれるもの――。

・Little Bravers!
穂波バナー。へにょへにょほなみんがよ。
このイベでレオニは外に目を向けることになるとかもあるんだけど、プロの資質・売れるための武器の話で描かれたレオニにはない「世界観」の話、たぶん今回のこはねの歌唱にはあるんだよな。
あとレオニが否定した「若さを売りにする」、「街と共に子供の時から育ち期待を背負ってきた」が描かれるビビバスとは対比的でおもろい感じあります。

・夢の途中、輝く星たちへ
えむバナー。
成長覚醒の結果いつか別れの時が来るかもみたいな話。ビビバスはそもそもそんな団結力があるユニットでもないんだけどそれでも今回のイベ見てると同じ場所を目指す目標ははっきりしてる分別れの時はまだまだ先だよねみたいな感覚はあります。むしろだんだん仲間増えていくタイプのストーリーやってますからね。対極。

まあ~こんなもんかな。

おわりに

ちょろっと普段ツイしてる程度に書こうと思ったらめっちゃ長くなった!
曲の話とかもしようかと思ってたけど…またの機会で!