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さっき作った

『つなぐ、星の歌』感想・読解みたいなやつ

『つなぐ、星の歌』感想読解書くぞ!

雑感

今回レオニのNEXT演出イベということで一応の一区切りだったわけですが、こういう結実だったか~という感じですね。
前イベが最後までどう転ぶか読めない、「伝わらない・届かない」をテーマにした難解なストーリーだった中で、「音楽は伝えられる」を前提にして「音楽が繋いできた絆」という結論を最初に出してひたすら繰り返すシンプルな構成はやり直すことと相互理解を描き続けてきたレオニらしいストーリーだったと思います。客席との繋がりというテーマとしては似たような話を前回のキースト『Get over it.』のワンマンで片鱗見せてますしね。
maisankawaii.hatenablog.com
以前書いた『Get over it.』の記事読み直してみたら今回のイベで描かれた要素「音楽が繋ぐ絆」、「客席との繋がり」と「幼馴染との繋がり」の連結から「またみんなでやりたい」「流星群への帰結」に繋ぐのまでかなりいい読解できていたと思います(自画自賛)。ちゃんと読めすぎてここに関しては今回書くことがないまである…。

ただ今回のイベはそれだけではありません、内に巻き込む音楽から外に拡散する音楽へ、もっとでけえスケールの話もしています。というわけで読んでいきましょう。

続・Leo/needの音楽について

今回のイベントの主題は「原点回帰」と「レオニの双方向性と想いの連鎖」あたりでしょうか。
というわけで見ていきましょう。

このイベントはレオニの面々がプロになる場面から始まりますが、「プロになったLeo/needと」いう”変化”を踏まえていざ新しいことに挑戦するのではなく、過去の回想とやり直しという「プロになる前のLeo/need」でもできた行為を反芻しもう一度繰り返すのが面白く、レオニらしさといったところでしょう。

全部、大切な思い出だか ら。またみんなで、同じように大切な思い出が作れたら嬉しいな(穂波)

特にプロになって何をすべきかという話をしている中でふと出てきた「昔のように星を見に行く」という目的は、一切バンドとは関係ないわけです。
これには少しレオニの成り立ちを振り返る必要があるでしょう。

そもそもメインストーリーで4人がバンドを組んだ理由はなんでしょうか。
離れ離れになった4人がまた昔のような関係に戻りたいという想いの中で産まれたのが教室のセカイで、その中にあったのがバンドだったはずです。
つまりは一緒にいたいという想いの方がメインであって、バンドはその中で仲直りするための手段だったわけですね。

『Resonate with you』(2021/04/21~)ではレオニがプロになる理由と覚悟が描かれました。
志歩の夢、「プロになって、誰かの心に響く演奏がしたい」に全員が巻き込まれた形ですね。
4人共通の目的としては「ずっと全員でバンドを続けたい」が第一にあって、志歩の夢にあわせてプロになること・プロになる覚悟をすることはそのための手段であるという話です。

だからこそ、プロになっていざやることが星を見ること、つまり「昔のような関係」であることはレオニの在り方として正しいわけで、そこに音楽やバンドが絡む必要はないわけですね、レオニにとっての音楽をやること、プロになることは一緒にいるための手段であったので…。

さてそれを踏まえて音楽活動を通じて繋がってきた人に感謝を伝えたいという話が出てくるわけですが、「感謝を伝えたい」の話が出た段階でも特に音楽の話はレオニの4人からはすぐに出てこないんですよね。音楽という手段を提案したのはKAITOです。

た……たしかに~! バンドのことのお礼をするなら、やっぱり音楽で返すのが一番だよね!(咲希)

この辺もこのレオニの在り方を意識すると、「より良い音楽を作ることが第一でその中で人とつながってきた」という話ではなく、そもそも「人と人を繋ぐ・他人に想いを伝えることが目的としてあり、その手段・過程として音楽があった」という読み方がレオニの在り方としては正しいわけです。

これって結構すごいというか異常なことだと思うんですよね。ストーリー上の都合で気付かせなかっただけといわれたらそうかもしれないのですが、これだけ音楽をテーマにしたストーリーを何年もやってきて、プロになるという話もしてプロになって、それでもなお音楽が1つの手段でしかないしそれが第一の選択肢として出てこない。歌にはこんなに力があったんだ…!とかいまさら気がついてる場合じゃないんですよ。3年目に気がつく話じゃないすぎる。

歌を……音楽をやってたから、こうやって仲良くなれたんだなって

まあそんな当たり前の話も見えないくらい周りを見ずにがむしゃらに4人であるために、想いを伝えるために真っすぐに音楽活動を続けてきて、その結果として今があるんですよねレオニは…みたいな感じにしておきましょうか。

一歌とレオニが描く「永遠」について

レオニの原点についてはこのへんにして、続けてレオニ…というか主に一歌の「双方向性」をみていきます。
今回のイベントでのライブでミクと共に歌った一歌の結論、ミクの歌を聴いた自分が歌うようになり、そして歌を聴いた誰かがその歌を誰かにつなげていくという話ですね。

昔、私がミクに感動をもらって……そして今、みんなに歌を届けているように……!

今回のイベントの一番のポイントはここでしょうね。原点回帰と想いの伝播、感動の連鎖です。
この与えられたものを与えることにもなっているという連鎖は何も歌に限った話ではなく、他の話でもそうです。

吉崎兄妹との会話、ライブへの感謝と一歌の感謝の連鎖。寧々との会話、夢を応援されることが寧々の夢を応援することにつながっているという連鎖。
音楽の世界にいざなってくれたミクを今度は自分たちのライブに呼べるという連鎖。
そしてこれは今回のイベントだけではありません。レオニは、一歌はずっとこういう話をしてきました。過去イベまで振り返って志歩の「他人に届く演奏をしたい」という夢に同調した一歌が今同じ夢を持って歌っていること。咲希の曲を受けて作曲を始めた姿。一歌はずっと与えられたものを吸収し、そして周りに返そうとしてきました。

こうして考えるとメインストーリーで「ずっと一緒に」という想いを最初に抱いたのは咲希で、その想いを受けたレオニが・一歌がその想いを伝播してきたことが今の強固な絆の原点で、その想いが元になってレオニの人と人を繋ぐ音楽の礎となっているのかもしれませんね。

この想いの伝播は、単に同じ共感を広げ返すという話だけでなく、「あの時の気持ちをもう一度」という繰り返しの概念でもあります。
辛かった時の気持ちをまた歌うこと。プロになる決意をした場所でプロになった今また歌うこと。ミクとの出会いをまた思い出すこと。そしてまた星を見て「ずっと一緒にいたい」と同じ気持ちを願うこと。
その気持ちは過去と今で同じではないのでしょうが、かつてバラバラになった時のように気持ちが離れることのないように、忘れないように大事に想いを永遠に繰り返し歌いバンドとしてつなげていくのが一歌とレオニの音楽の在り方なんでしょうね、つなぐ、星の歌。そんな感じでどうでしょうか。

(私も、Leo/needのみんなをつなげていきたい)

おわりに

ストーリーも構造もシンプルではありますが、とにかく今までの全てを拾い上げる総決算みたいな話だったのでちょっとごちゃついた記事になっちゃいましたね。
なんにせよレオニの「変わらない想い」「ずっと一緒に」「つなげていく」みたいな要素満載で面白い話だったと思います。私自身がミクになることだ…。


おわりだよ~。